万一に備えるための〜保険の相続対策
万一に備えるための〜保険の相続対策
文書作成日:2020/04/05


 保険契約の途中で、保険料の財源としてきた金銭の贈与者が亡くなった場合、その保険の取扱いはどうなるのでしょうか。




 父から毎年贈与を受けるお金を利用して、以下の生命保険に加入していました。
 先日、その父が亡くなりましたが、加入している生命保険の必要な手続きや、税務上の取扱いなどを教えてください。

  1. プランA:相続税の納税資金用に終身保険に加入
    • 契約者(保険料負担者):相談者
    • 被保険者:父
    • 保険金受取人:相談者
  2. プランB:相談者自身の老後生活資金の準備を目的とした個人年金保険に加入
    • 契約者(保険料負担者):相談者
    • 被保険者:相談者
    • 保険金受取人:相談者




 プランAは被保険者が亡くなったお父様であるため、保険金の支払事由に該当し、保険金の支払いが行われて契約が終了します。当該保険金はご相談者の所得税の課税対象となるため、注意しましょう。他方、プランBは契約に変動がないため、課税は発生しません。ただし、保険料の財源がなくなってしまうことから、どこから財源を持ってくるのか検討をする必要があります。




 プランA、プランBそれぞれの取扱いは、次のとおりです。

1.プランAのケース
(1)生命保険の取扱いと手続き

 被保険者は亡くなったお父様の契約であるため、死亡保険金が受取人に支払われます。
 受取人は契約していた保険会社に連絡し、死亡保険金の請求手続きを行います。死亡保険金の支払いとともに、保険契約も消滅するため、保険料の払込みも終了します。

(2)税務上の取扱い

 受け取った死亡保険金は、受取人であるご相談者の所得税の課税対象(一時所得)となります。

2.プランBのケース
(1)生命保険の取扱いと手続き

 契約の登場人物はご相談者のみであるため、お父様が亡くなっただけでは契約内容に変動はなく、保険契約は継続します。よって、保険契約上の手続きは不要です。

(2)税務上の取扱い

 上記(1)のとおり、契約の内容自体に変動はないため、課税関係は生じません。

(3)検討事項

 保険料の財源となる金銭の贈与と生命保険契約は別のものであり、相互に直接の関係はありません。贈与者が亡くなったことにより、金銭の贈与が終了したとしても、保険契約は継続され、解約等の事由が発生しない限り、契約者であるご相談者が、引き続き払込期間終了まで保険料を支払う必要があります。そのため、今後の保険料の財源をどうするのか、検討が必要です。
 考えられる主な財源を、以下に例示しました。

  • ご相談者自身の資金
  • プランAの保険金を含めた、お父様から引き継いだ相続財産
  • お母様など他者からの金銭贈与

 保険料の負担が困難な場合は、保険契約自体の見直しを検討することになります。
 契約を解約する見直しは、解約時の返戻金がかなり少額になる、あるいはこれまで払い込んだ保険料よりも少ない金額になるなど、契約者にとって不利益となる可能性もあります。このようなケースに遭遇した場合あるいは相続対策に関しては、当事務所へご相談ください。


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