トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2020/09/20


 今回は相談事例を通じて、養子の実親の相続権についてご紹介します。



 私は幼いころに、親戚夫婦の養子になりました。先日実父が亡くなり、実母や姉と遺産相続について話し合いをした際、姉に養子に出ている私は実父母の相続人にはならないから、父の遺産は母と姉、二人で分ける。という主旨のことを言われました。養子に出た私は、実の両親(実親)の相続人にならないのでしょうか。




 相談者が実親の相続人になるかどうかは、養子縁組の仕方によって異なります。
 あなたが普通養子であれば実親の相続人となり、特別養子であれば実親の相続人にはなりません。あなたがどちらの種類の養子なのかは、戸籍で確認することができます。普通養子であれば父母欄に実親と養親の両方の氏名、身分事項欄に養子縁組した旨や縁組日などが記載されます。特別養子縁組であれば父母欄に養父母の氏名のみ、身分事項欄には「民法817条の2による裁判確定日」という養子縁組をしたことが分からないような記載がされます。




 養子縁組をすると、養親との間には法律上の親子関係が発生します(民法809条)。ただし、普通養子と特別養子では次の点で違いがあります。

【普通養子】
 縁組の日以降も実方の血族との親族関係はそのまま存続するので、実親の法定相続人には変わりません。法定相続分についても、他の実子と変わりはなく、氏や戸籍や住所が異なっていたとしても、実子としての相続権には影響しません。なお、普通養子の場合、養親と実親の相続はそれぞれ別個の問題となるため、それぞれに影響はなく、養親の遺産を相続したために実親の遺産を相続できない、といったこともありません。

【特別養子】
 縁組の日から実方の血族との親族関係は終了します(民法817条の9)。したがって実親との関係は近親婚の禁止を除いて消滅しますので、相続関係も消滅し、実親の相続権もなくなります。

 特別養子制度は、実父母による子の監護が著しく困難又は不適当であること等の事情がある場合に、子の利益のために特に必要があると認められるときに限り、家庭裁判所の審判によって成立します。なお、特別養子の年齢は原則として15歳未満でなければなりません(以前は6歳未満が上限でしたが2020年4月から15歳に引き上げられました)。子の福祉の増進を図るための制度のため、実親との関係や年齢の上限、戸籍の記載についても普通養子と異なる部分があります。

 このように、養子縁組によって家族の関係も変わります。スムーズな財産承継を行うためにも遺言の作成をしておいてもらうのも一つでしょう。

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