万一に備えるための〜保険の相続対策
万一に備えるための〜保険の相続対策
文書作成日:2022/10/05


 契約者貸付金がある場合の死亡保険金と税金の取扱いについて教えてください。




 父が亡くなりました。父が加入していた生命保険契約は2契約あり、死亡保険金は長男である私が受取人となっています。また、2契約とも父の生前に契約者貸付を受けていたようです。加入内容は以下のとおりです。
 この場合、死亡保険金はどうなるのでしょうか。また、税金についても教えてください。

【契約@】
  • 契約者:父
  • 保険料負担者:父
  • 被保険者:父
  • 死亡保険金受取人:私(長男)
  • 死亡保険金額:1,000万円
  • 契約者貸付金の額:100万円
【契約A】
  • 契約者:母
  • 保険料負担者:母
  • 被保険者:父
  • 死亡保険金受取人:私(長男)
  • 死亡保険金額:1,000万円
  • 契約者貸付金の額:100万円




 契約形態の違いによって、死亡保険金や税金の取扱いが異なります。ご相談のケースのように、契約者貸付がある場合はその取扱いがさらに複雑となりますので、ご注意ください。


1.契約者貸付について

 保険契約者は、その保険契約の解約返戻金の一定範囲内で保険会社から貸付を受けることができます。これを「契約者貸付」といいます。また、保険契約の失効を防ぐために保険会社が保険料を自動的に契約者に貸し付け、払込に充当することがあり、これを「保険料の自動振替貸付」といいます。この契約者貸付には保険会社ごとに定められた所定の利息を支払う必要があります。

 このような契約者貸付がある状態で保険金の支払事由が発生すると、保険約款により保険金から控除されます。なお、発生時に未払保険料がある場合も同様です。

2.死亡保険金と税金の取扱い
(1)契約@の場合

 被相続人が保険契約者(保険料負担者)かつ被保険者であって、相続人が死亡保険金受取人となる場合です。死亡保険金受取人は、死亡保険金額から契約者貸付金の額を差し引いた金額を受け取ります。

 この場合、受け取った金額は死亡保険金であり「みなし相続財産」となり、相続税の対象です。なお、契約者貸付金の額に相当する保険金、契約者貸付金の額に相当する債務はなかったものとして取扱います。

1,000万円−100万円=900万円
 以上がご相談者様(長男)の受け取る額で、「みなし相続財産」となり、相続税の対象です。
(2)契約Aの場合

 被相続人が被保険者であって、保険契約者(保険料負担者)と死亡保険金受取人がそれぞれ異なる場合です。死亡保険金受取人は、死亡保険金額から契約者貸付金の額を差し引いた金額を受け取ります。

 この場合、受け取った金額はお母様からご相談者様(長男)への贈与となり、ご相談者様(長男)が受け取った死亡保険金は贈与税の対象です。また、契約者であるお母様は、死亡保険金額から差し引いた契約者貸付金の額相当の死亡保険金を取得したとみなされ、お母様の所得となり所得税(一時所得)の対象です。

1,000万円−100万円=900万円
 以上がご相談者様(長男)の受け取る額で、お母様からご相談者様(長男)への贈与となり、贈与税の対象です。
100万円(契約者貸付額相当の死亡保険金)
 以上はお母様の所得となり、所得税(一時所得)の対象です。
(3)契約@、A以外の場合

 上記契約@、Aではなく、被相続人が被保険者であって相続人が保険契約者(保険料負担者)かつ死亡保険金受取人という場合もあります。

 この場合、保険契約者(保険料負担者)と死亡保険金受取人が同じであるため、死亡保険金と契約者貸付金の合計額、つまり契約上の死亡保険金額が所得税(一時所得)の対象となります。

 契約形態の違いによる税金の取扱いや、契約者貸付がある場合の取扱いについてのご相談は、当事務所までお気軽にお問い合わせください。


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